糖尿病になったからと言って、咳が出るということはありません。糖尿病の症状に咳はないのです。
では、なぜ糖尿病になって咳が出ることがあるのかというと、糖尿病と併発しやすい病気に感染症があるからです。
糖尿病になって感染症を引き起こすメカニズムはこうです。
人間には、体外から入ってきた細菌やウィルスと戦う機能が備わっています。免疫機能と呼ばれるものです。この免疫機能の中心的な役割を果たすのが白血球の中の好中球という成分です。ところが、血糖値が高い状態が続くと、好中球の働きが弱まってしまいます。
また、高血糖状態だと、細菌やウィルスが糖分を吸収して、力を強めます。その結果、感染症が起こりやすくなるのです。
さらに、高血糖だと、血液の流れも悪くなり、白血球が機能を発揮しにくくなることも感染症が悪化する原因です。
感染症には、さまざまな種類がありますが、最も多くみられるのが風邪です。気管支まで炎症が達すれば気管支炎になり、肺にまで届けば肺炎となりますが、主な症状として、咳、たん、熱、のどの痛みなどがあります。
糖尿病になって、咳が出るのはこのためです。ウィルスや細菌に感染すると、インスリンの働きが悪くなることもあるので、糖尿病が進行するリスクもあります。
したがって、糖尿病の患者さんが咳をしだしたら、早めに医師の診断を受けた方がいいでしょう。
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